いろんな人がいます。

職場のデスクの正面のおぢさんが
いつもの戯言を言っていた。
だから私もいつもの愛想笑いをしてみた。
そしたらおぢさんが一言
『声出して笑えよ。声も出さないとガンになるぞ』
馬鹿ゆーな。
面白くもねぇことで
ゲラゲラ笑えるかよ。
てか、活字の読みすぎだよ。
イイか。
私の兄はガンだった。
ぢゃあなんだ。
ウチの兄はもっと声を出して笑っていれば
ガンにならなかったってゆーのか?
あれからもぉ6年が経つけど
あの悲しい寂しい思いは
今も鮮明に思い出せる。
兄がガンになったこと自体はもちろんだが
当時の自分の置かれてしまった状況も
精神的に不安定な
受験を控えた高校生にとっては
かなり辛いものだった。
応援する肉親もなく
一人で淡々と勉強する日々。
ここで死んでも
誰もわかんないよなぁ。
変な匂いしてくるだろぉから
明後日くらいには気付いてくれるかなぁ?
と寝る前に何度も思った。
兄だって30直前で
バリバリ働きたかったのに
普通のサラリーマンの仕事も
車の運転さえも制限されて
親とまともに喧嘩も出来なくて
もっと社会的な期待をされて
大人になりたかっただろぉに
「健康でいてほしい」
としか、周囲に期待されない。
それを妹の私は気楽だなんて言えない。
病気になってしまったことだって
今でも
しょーがないと言えない。
確かにガンが兄を大人にしたかもしれない。
ガンが兄を強くしたかもしれない。
彼はきっと私よりも
割り切ってるだろぉけど
私はまだまだ割り切れない。
それをも乗り越えて笑う。
それならまだいいかもしれないけど
ただの活字の情報を
そんな風に垂れ流して
傷つく人だっているんだ。
全く
笑ってしまうほど
安泰な人だ。
もぉ明日から彼には愛想笑いもなしだ。
私を笑わせたかったら
もっと腕を磨いてこいよ。
まぁ無理だろぉけど。